グストイタリア野菜紀行

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episodio40

ローマの芸術財団アメリカンアカデミー食堂の野菜レシピ

Episodio7でも紹介したローマの芸術財団アメリカン・アカデミー。

 

財団には、ここで芸術活動を日々行なうアーチストたちが毎日食事をする食堂があります。40年前にアメリカで初めてスローフード運動やオーガニック野菜を使った料理を提唱、ホワイトハウスの自家菜園アドバイザーでもあるアリスウオータースさんのフードプロジェクトが実施されています。

 

それまでは栄養バランスや素材の季節感が考慮されていないメニューが提供されていたそうですが、アリスさんのプロジェクトにより、自家菜園や提携農園から届く有機野菜を中心としたメニューが提供されるようになりました。

 

アカデミーの食堂はレストランではないため、毎日ここで食べる人がほとんどです。そのため食べる人を飽きさせないように、素材は一度として同じ料理にして繰り返し提供されることはありません。ランチ、ディナーと1日2回も毎度違うメニューを決めなければならないので、その仕事量は一般のレストランよりもすさまじいものがあります。たとえば冬の旬ロマネスコ。この時期は連日食堂の食卓にあがる旬の野菜ですが、オーブン焼きにしたり、パスタの具にしたり、フライにしたりと、ありとあらゆる姿に変えて出てきます。どの素材にしても料理のバラエティーは数限りなく、野菜の組み合わせや、切り方、盛り付け方、アクセントに使われる脇役食材の使い方などなど独特で、彼らのレシピはシンプルなのにサプライズがあるのです。

 

厨房では毎日シェフのクリス・ベアーさんとスタッフが会議をしながら次の日のメニューが決められ、翌日の朝8時にはアカデミー内にある農園の野菜を収獲し、調理が始められます。

 

ランチはビュッフェスタイル。テーブルに配置する料理のポジションも、慎重に彩りのバランスを考えて決められます。
アカデミーで食事をするアーチスト達は、この食堂のおかげで野菜を食べる量が断然増えたと口をそろえて話てくれました。これだけいろいろな種類の野菜を毎日たっぷりと食べられるのって幸せ!

冬のある日のランチメニュー4品のレシピをご紹介します。

チーマ・ディ・ラーパのほんのり苦味とニンニクがアクセント
ジャガイモとチーマ・ディ・ラーパのニンニク風味

2人分の材料:
ジャガイモ200gm
チーマ・ディ・ラーパ 0.5kg
ニンニク1かけ
オリーブオイル適量
ペペロンチーノ敵量
塩こしょう適量

1.ジャガイモの皮をむき一口サイズに各切りする。
2.塩を一掴み入れたお湯で3分ゆでる。
3.ザルにあげ、冷ましてから塩コショウ、オリーブオイルをからめ190度のオーブンで
  25分ほど香ばしくなるまで焼く。
4.ざく切りにしたチーマ・ディ・ラーパをオリーブオイルとニンニク、ペペロンチーノを
  熱したフライパンで中火で炒める。
5.そのまま15分から20分ほど蓋をしてさらに火を通す。
6.オーブンであらかじめ焼いた上記のジャガイモをフライパンであわせ、6,7分
  いっしょに炒める。

プチプチした蕎麦の実の食感がクセになる
ロマネスコのオーブン焼き蕎麦の実添え

2人分の材料:
ロマネスコ 半個
そばの実 100gm
オリーブオイル 適量
塩 適量
こしょう ほんの少量

1.ロマネスコは底と中心部の芯の部分、葉を取り除く。
2.まずは半分に切り、適度な厚さに輪切りにしていく。
3.カットしたロマネスコを塩こしょうし、オーブンシートをひいたオーブン板に並べる。
4.180度のオーブンで25-30分かけ少し焦げ目がつきやわらかくなるまで焼く。
5.そばの実はあらかじめ1時間ほど水につけておく。
6.水をよくきったあと、170度のオーブンで13-15分かりっとするまで焼く。
7.ロマネスコをお皿に並べた後、そばの実とオリーブオイルをたっぷりとかける。

加熱した野菜と生野菜の組み合わせがおもしろい
ロマネスコとラディッシュのオーブンロースト、ルーコラ添え

2人分の材料:
ロマネスコ 半分個
ラディッシュ数個
ルーコラ 1束
レタス 少々
レモン果汁
オリーブオイル適量
塩こしょう 適量

1.一口サイズにカットしたロマネスコ、半分に切ったラディッシュに塩こしょう、
  オリーブオイルを絡めておく。
2.190度に熱したオーブンでロマネスコは焼く25分、ラディッシュは10,15分
  焼く。
3.オーブンから取り出し完全に冷ましておく。
4.ボールにルーコラとレタスを搾ったレモン、塩コショウ、オリーブオイルであえる。
5.お皿にレタスを盛り、その上にロマネスコとラディッシュを並べ、その上にさらに
  レタスとルーコラを形よく盛り合わせる。

洋梨の甘さとラディッキオの苦味、フィノッキオのアロマがミックス
フィノッキオと洋梨、ラディッキオロッソのサラダ

2人分の材料:
ヴァレリアーナ(ミニサラダ菜)適量
フィノッキオ 半個
ラディッキオ・ロッソ 1/4個
洋梨 あまり熟していないもの1/4個
ニンジン1本
くるみ
オリーブオイル
レモン果汁
塩コショウ

1.フィノッキオは薄い輪切りにする。
2.ラディッキオ・ロッソもごく薄い輪切りにし、少し塩をしておく。
3.さらに洋梨もニンジンも同じ厚さに切る。
4.料理を出す5分前に、大きめのボウルに野菜をあわせ、塩こしょう、オリーブオイル、
  レモン果汁であえる。
5.盛り付けた後、細かくきざんだくるみをフライパンでローストしたものを
  上からふりかける。

About the Rome Sustainable Food Project from American Academy in Rome on Vimeo.
Copy Right - American Academy in Rome

ヒサタニ ミカ(野菜紀行レポーター)

京都生まれ京都育ち。
ローマ在住16年。
来伊後、サントリーグループのワイン輸入商社のイタリア駐在員事務所マネージャーを経て、現在は輸入業者のコンサルタント、ワインと食のジャーナリスト、 雑誌の取材コーディネーターとしてイタリア全国に広がる生産者や食に携わるイヴェントを巡る。最近はイタリアでのワインコンクールの審査員も務め、またお 茶や懐石料理のセミナーをイタリアで開催、日本の食をイタリアに紹介する仕事も展開。料理専門媒体にイタリア情報を随筆中。

AISイタリアソムリエ協会正規コースソムリエ。
ラッツィオ州公認ソムリエ。

[ イタリアからお届けする旬の食コラム ]

「ヒサタニミカのイタリア食道楽」

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